エクステリアの完成度を高める!植栽の種類や選び方のポイント

エクステリアを、より魅力的な空間にするために欠かせないのが、やわらかさをプラスできる植栽です。植栽は見た目だけではなく、目隠しや日よけなど機能面でも役立つアイテムになります。しかしひとことで植栽といっても、豊富な種類があります。和風や洋風、ナチュラルやモダンなどの雰囲気によって、選ぶ種類が変化するでしょう。この記事では、エクステリアにおすすめの植栽の種類や選び方のポイント、実際の導入例などをご紹介します。
エクステリアに植栽を取り入れるメリット
植栽を取り入れるメリットとしてまずあげられるのは、見た目の美しさやエクステリア全体の印象がよくなるという点です。コンクリートだけでは無機質になりがちですが、植栽があるとエクステリア空間にやわらかさが生まれます。温もりのある空間を演出できるため、訪れる人によい印象を与えるのも魅力です。広い庭がなくても、ポストや門柱、街灯の近くに植栽を配置するだけで、ナチュラルさをプラスできます。
また、植栽は自然な目隠しとしても機能します。高い壁やフェンスは圧迫感を与え、風通しを悪くする可能性があります。植栽を効果的に活用すれば、開放感を保ちつつ、プライバシーを確保したエクステリア空間を作れるでしょう。建物の基礎部分が露出して気になる場合も、低めの植栽で自然にカバーできます。さらに、高さのある植栽は目隠しだけでなく、日よけとしても利用できるエクステリアです。ウッドデッキやガーデニングスペースの近くに配置すると、日陰ができて暑い時期でも快適に過ごせる空間が完成します。
植栽は、種類によって一年中葉が茂るものや季節に合わせて葉が落ちるものがあり、四季折々の自然の変化を楽しめます。さまざまな種類の植栽を組み合わせると、庭の表情は常に変わり、見る人を飽きさせません。種類によって花や実がつく時期が異なり、天候によって葉の色が変化することもあります。植栽が成長していく過程を見守ることで、日々の生活のなかに穏やかな時間が生まれるでしょう。
▷目隠しフェンス+高木(左・ソヨゴ 右・イロハモミジ)
エクステリアにおすすめしたい植栽の種類
エクステリアに適した植栽にはさまざまな種類がありますが、おもな種類は緑を1年中楽しめる常緑樹と、季節により様子が変化する落葉樹の2種類です。針葉樹や足元を彩るグランドカバーなども、エクステリアの用途に応じて設置できます。
常緑樹
常緑樹は葉が1度に落ちないため、季節を問わず緑を楽しめます。手入れの手間が少なく、目隠しとしても活用しやすい種類の植栽となります。常緑樹のなかでも、とくに人気の高い種類が、シンプルな見た目のソヨゴです。ほかの植栽とも調和しやすく、成長がゆるやかなので剪定の手間もほとんどかかりません。1本立ちのものや幹が複数に分かれている株立ちタイプがあり、スペースに合わせて選べるのも魅力です。初夏には小さな白い花が咲き、秋には赤い実をつけるため、季節ごとの変化も楽しめます。また、耐寒性に優れている種類であるため、富山県のような寒い地域でも育てやすい植栽です。
洋風のエクステリア空間にぴったりの植栽としては、オリーブの木をあげられます。葉の裏側がシルバーに近い色で、風に吹かれるとキラキラと輝きます。日当たりのよい場所に植えると早く成長し、存在感のあるシンボルツリーになります。目隠しとして植栽を選ぶ場合は、シラカシがおすすめです。年間を通して形が変わらず、しっかりと葉をつけているため、外からの視線を遮るのに適しています。複数本並べて植えて、生垣のように仕立てることも可能です。
落葉樹
落葉樹は、冬になると葉を落とすため、季節の移り変わりを感じられます。春には新緑が芽吹き、秋には美しい紅葉が楽しめるなど、庭の風景が変化するのが魅力です。また、冬には葉がなくなるため、日差しが入りやすくなることもメリットといえます。手軽に紅葉を楽しめる木として人気なのが、イロハモミジです。神社や庭園でもよく見られる種類の植栽で、和の落ち着いた雰囲気を演出できます。中庭に植えれば、室内からも季節の移ろいを感じられるでしょう。イロハモミジの葉は、切れ込みが深くシャープな形をしているため、和風の庭だけでなく、モダンなデザインのエクステリアにもよくなじみます。
和風と洋風どちらの家にも取り入れやすい植栽は、美しい花を咲かせるエゴノキやハナミヅキです。エゴノキの花は、白く釣り鐘のような形をしており、下向きに咲く姿が特徴となります。風に揺れるたびに可憐な印象を与え、上品な雰囲気を作り出します。一方、ハナミヅキは種類によって赤や白、ピンクなど異なる色の花を咲かせる植栽です。咲いた後に花の色合いが変化していくため、一本の木のなかでもグラデーションのようにさまざまな色を楽しめます。
針葉樹
針葉樹は、常緑で葉が落ちないため、一年を通して緑を保てます。目隠しとしても使われることが多く、葉が密に茂る種類は防風対策にも役立ちます。ただし、成長するにつれて枝葉が広がるため、定期的な剪定が必要になります。針葉樹のなかで、エクステリアでよく使われる植栽はコニファーです。庭のアクセントとしてだけでなく、生垣としても活用できるコニファーは、世界中で数万種もの種類があるといわれています。なかでもよく見かけるのがゴールドクレストという種類で、円錐状に成長し柑橘系のさわやかな香りが特徴です。鮮やかな黄緑色の葉を持ち、庭を明るく彩ります。寒さには比較的強い種類ですが、暑さには弱いため、直射日光を避けられる半日陰の場所に植えるのをおすすめします。
洋風のエクステリアに合わせたい場合は、ブルーアイスがぴったりです。ブルーアイスはヒノキ科の植栽なので、さわやかな木の香りを持ち、メタリックブルーの葉がクールな印象を与えます。クリスマスツリーとして利用される場合もあり、形を円錐状に整えることも可能です。病気や害虫に強く丈夫ですが、根が張るまで時間がかかるため、植えた直後は風で倒れないように支える工夫が必要になります。
グランドカバー
植栽と聞くと、縦に伸びる樹木をイメージしがちですが、地面を覆うグランドカバーという種類もあります。グランドカバーは、地面を覆うことで雑草の発生をおさえたり、土の乾燥を防ぐ効果があります。また、大きな植栽の足元に植えると、メインの樹木を引き立たせる縁の下の力持ちのような存在なるでしょう。花を楽しめるグランドカバーとしておすすめしたい種類は、ヒメツルソバやシバザクラです。ヒメツルソバは繁殖力が高く、地面を這うように広がります。そのため、広範囲を一気に覆いたいときに最適な種類の植栽です。ピンク色の丸くて可愛らしい花を咲かせます。地面いっぱいに花で覆いたい場合は、シバザクラを植えるのもよいでしょう。密集して生える花が絨毯のようになり、春には鮮やかな光景が広がります。
グリーンをメインのエクステリアにしたい場合は、ギボウシやセイヨウイワナンテンが適しています。ギボウシは大きな楕円形の葉が特徴で、葉脈が美しく、海外でも人気の高い種類です。日陰でもよく育つため、シェードガーデンや日当たりの悪い場所でも活躍します。セイヨウイワナンテンは細長い葉が特徴で、緑のなかに赤や白の模様が入った種類もあります。季節によって葉の色が変化するため、花が咲いていない時期でも自然な彩りを楽しめるのが魅力です。
▷高木に低木や下草・グランドカバーをプラスした植栽デザイン
植栽選びでおさえておきたいポイント
植栽を選ぶ際にまず意識したいのは、手入れのしやすさです。自分で手入れをするなら、剪定しやすい低木を中心に計画を立てると管理が楽になります。また、植物の種類によって耐暑性が異なるため、事前に庭の日当たりを確認しておくことも重要です。日が当たりすぎると植栽が枯れる原因になり、余計な手間がかかることもあります。手入れの時間をできるだけ減らしたい場合は、葉が落ちにくい種類である常緑樹や針葉樹を選ぶとよいでしょう。エクステリアとして、植栽を多く取り入れればよいというわけではなく、手入れの負担を考慮しながら選定することが重要です。
植栽は高さによって、用途や庭に設置したときの印象が大きく変わります。低い木はグランドカバーや花壇用に適した植栽です。足元を華やかにするか、落ち着いた雰囲気にするかは、好みによって決めていきます。一方、高い木はシンボルツリーとして、駐車場の中心や玄関前に配置するのに適しています。目隠しに使う場合も、高さのある木を選ぶと視線を遮る効果が期待できるでしょう。
さらに植栽は、成長に伴い木の大きさや形が変化することにも注意が必要です。植えたときの見た目だけでなく、成長後の姿も考慮しましょう。予想以上に大きく育つと圧迫感が出たり、庭のスペースが狭くなったりする可能性もあります。生活動線に影響を与えないよう、植栽の成長スピードや最終的な大きさも事前に確認しておくと安心です。
▷メインに梅の木・下はグランドカバー(タマリュウ)を築山にしたデサイン
植栽を取り入れたおしゃれなデザイン
エクステリアに植栽を取り入れると、住まいがおしゃれになり、家族が共に過ごす空間をより豊かなものにできます。季節感を楽しめる庭を作りたい場合は、落葉樹であるイロハモミジやハナミヅキを植えるのがおすすめです。足元に砂利を敷き詰めれば、高級感のある和風の庭が完成します。また、ブルーベリーやジューンベリーなど実をつける植栽や、ラベンダーなどのハーブを植えると、収穫を楽しめて、暮らしがより充実したものになるでしょう。ただし、落葉樹だけでは冬に庭が寂しくなりがちなので、常緑樹を適度に組み合わせるとバランスが取れます。広い庭がなくても、芝生やコンクリートの一部を活用すれば、植栽スペースを作ることが可能です。タイルや天然石を用いたエクステリアを得意とする当社では、植栽を組み合わせたナチュラルなデザインの施工も多数手掛けています。
また、庭や玄関前にシンボルツリーを配置するだけでも、エクステリアの印象が格段に向上します。とくに、シンプルなソヨゴや樹形の美しさが魅力のアオダモは、シンボルツリーとして人気の高い種類です。シンボルツリーの足元にゴロタ石やピンコロ石を配置すると、植栽がより一層引き立つでしょう。大小さまざまなサイズのゴロタ石を組み合わせると、自然な雰囲気を演出できます。立方体のピンコロ石を並べて、植栽を花壇のように囲む方法は、シンプルながら洗練されたデザインです。アイストップ・デザインでは、グレーや茶色、白などさまざまな種類の天然石やゴロタ石を使用して、お客さまのイメージに合わせたエクステリアと植栽の組み合わせをご提案いたします。
▷高木・グランドカバーとゴロタ石をバランス良く組み合わせたプラン
まとめ
エクステリアに使用できる植栽には、常緑樹や落葉樹などさまざまな種類があります。上手に組み合わせて配置するなら、植物の成長を楽しめる空間が完成します。手入れの手間が少ない植栽など、生活スタイルに合わせた種類を選択することが大切です。エクステリアのアクセントとしてシンボルツリーを1本植えるだけでも、おしゃれな雰囲気を作り出せます。エクステリア空間に最適な植栽のご相談は、当社までお気軽にお問い合わせください。