住まいを彩る癒しの空間!植栽のエクステリア工事で気をつけるポイント
エクステリアにおける植栽は住む人の心身を癒やし、くらしを快適にする効果が期待できます。エクステリア工事では建物を含めた敷地全体との調和を考え、寒冷地など住む地域の環境に合った最適な植栽の選定を行えば、優れた機能を持ちおしゃれで美しいエクステリア空間の創造が可能になります。この記事では、植栽のあるエクステリアがくらしにもたらす効果や、エクステリア工事の際に考慮すべきことをご紹介します。
植栽のあるエクステリアがくらしにもたらす効果
エクステリアの植栽は、心身のストレスや緊張の緩和、建物やほかの外構を塩害から守る、空間を広く見せるなど、くらしを快適にしてくれる役割があります。エクステリアの植栽には、心身のストレスや緊張の緩和、視覚疲労の解消効果が期待できます。植物を眺めると、脳内に精神安定状態を示すアルファ波が増幅するとされています。アルファ波の作用は、血圧の低下や筋肉の緊張の緩和です。結果、心拍数が減少しリラックス状態に導いてくれるので、ストレスの緩和が期待できるでしょう。
植物を眺めると大脳皮質の活動が活発化し、視覚疲労を解消するともいわれています。パソコンやスマホを見る際に浴びるブルーライトは、視覚疲労を引き起こす原因のひとつとされ、ストレス・頭痛・集中力の低下などの悪影響を及ぼすことがあります。緑の光の波長は網膜に負担をかけにくいため、植物が持つ緑色は長時間見ても疲れない、デスクワークで酷使した目を休めるのに適した色です。ストレスの緩和や、パソコン・スマートフォンで疲れた目を癒せる環境を整えることができます。
塩害に強い植栽は、建物やエクステリアに設置された外構、そのほかの植栽を塩害から守る役割があります。植物の葉の表面には、植物体を保護し内部の物質を守るクチクラ層と呼ばれる層が存在します。クチクラ層が発達している樹木は、付着した塩分が植物体のなかに浸透しにくいため、塩害に強いのが特徴です。富山県など海沿いの県では、台風の際に塩分を含んだ風、嘲風が吹きつけます。嘲風を長期間受けると、塩分によって建物の構造の強度や性能が低下し、建物の耐久性に問題が起こる、塩害が発生する恐れがあります。嘲風は、植物にとっても大きな問題です。クチクラ層の発達していない植物は、嘲風を受けると塩がついた部分から水分が蒸発し、最悪枯れてしまうことがあります。葉が厚くツヤツヤしているアラカシやシラカシ、イヌツゲ、マサキなどは塩害に強く、生垣向きの樹木です。エクステリア工事の際は塩害に強い植栽の生垣で敷地を囲って、建物や外構、ほかの植栽を嘲風から守るとよいでしょう。
配置に工夫を施した植栽は空間を広く見せる効果が期待でき、狭い庭に有効です。高低差を出して植栽を配置し、遠近法を利用して空間を広く見せるとよいでしょう。遠近法とは、大きいものは近くにあるように感じ、小さいものは遠くにあるように感じる感覚を利用した方法です。高さが同じ植物だけを植えるのではなく、中高木や低木、草花やグランドカバープランツなど、高低差が出るように植栽を取り入れると奥行き感が出て敷地を広く見せられるでしょう。エクステリア内に配置する外構や植栽の色の濃淡を利用して、奥行きを出す方法もあります。人間は明るい色のものは手前にあるように見え、暗い色は遠くにあるように見える感覚を持っています。エクステリア内にある物質の色合いが全て似通っていると、同化して見えてしまいますが、奥のほうに配置する植栽を落ち着いた色合いの植物にすると遠近感を生み出せるでしょう。敷地が限られている狭い庭には、遠近法を利用して植栽の配置を工夫すると、敷地を実際より広く見せられ、閉塞感を感じにくくなります。
植栽のエクステリア工事の際に気をつけること
植栽が引き立つエクステリア工事は、家づくりと一緒に植栽計画を考えることが大切です。敷地全体との調和はもちろん、庭で視線を集める見せ場や、寒さや雪に強い植物を検討していきます。
敷地全体との調和を考慮する
エクステリアに植栽を取り入れる際には、建物やほかの外構との雰囲気を統一し、敷地全体の調和を考慮することが重要です。建物やエクステリア、植栽の全てが同じテーマや雰囲気で統一されていると敷地全体を魅力的に見せ、居心地のよさを感じさせてくれる空間になります。テイストが違うものが混ざっているとチグハグな印象になり、違和感のあるエクステリアになってしまう恐れがあります。はじめに和風・洋風・雑木風・南国風などテーマを明確にしておき、テーマに沿ってエクステリア計画や植栽の配置を行うと、敷地全体のバランスが整います。
洋風の建物なら明るい外観に合わせ、四季を通じて葉が茂る常緑樹を取り入れるとよいでしょう。それぞれの季節に咲く花木や球根類、宿根草などを植栽に取り入れれば、洋風の住宅に調和したエクステリアにできます。和風の住宅なら、落ち着いた印象の樹木を植栽に取り入れます。イロハモミジなど、秋に紅葉し風情を感じられる落葉樹が向いています。葉を見て楽しむ植物を多くし、敷地内の緑色の割合を増やすと落ち着きのある空間になります。高低差を出すため、ギボウシやヤブランなど背丈の低い植物も植えるとよいでしょう。エクステリアで植栽を取り入れる際には、植物だけを見て選ぶのではなく建物やほかの外構とのバランスを考えることが大切です。
家づくりと一緒にエクステリアの植栽計画を考える
エクステリアの植栽計画は、家づくりと一緒に考えはじめましょう。建物やほかの外構ができてからだと、植栽の配置に制約が出てしまうことがあるためです。植栽の配置は家づくりが終わってからでも可能ですが、建物と外構の設置計画の際にすでに植栽を植える区画が決まってしまうので、大抵の場合は植えるスペースが限定されてしまいます。高さのある樹木は植える際にある程度の広さを必要とするので、希望する樹木があっても植えられない可能性が出てくるでしょう。中低木のみの植栽は高低差が出せずバランスが崩れて見えるなど、景観の美しさにも影響します。
また、植栽のための予算が足りず、希望する樹木を取り入れられない場合もあります。妥協してしまうと不満足さを感じるエクステリアになってしまうでしょう。あとから植栽を植える予定なら、植栽を配置するスペースをあらかじめ確保しておきます。希望する植栽を取り入れ快適なエクステリアをつくるには、家づくりと同時に考えはじめることが大切です。
エクステリア内に植栽のフォーカルポイントを取り入れる
フォーカルポイント(focal point)とは、「焦点を当てるポイント」、「庭で視線を集める見せ場」となる部分です。人の視線をとどめるように意識的に置くものなので、アイストップとも呼ばれます。目立ったものが何もない空間は、視線が行き場を失ってさまよう味気ない場所となってしまうでしょう。フォーカルポイントにはメリハリを生み、エクステリア空間を引き締める役割や、おしゃれでデザイン性のあるエクステリアにするメリットがあります。
フォーカルポイントの設置は、リビングの前や敷地の中心となる場所、門柱や玄関先などの目立つ場所が多く、敷地のテーマやコンセプトを意識して作成します。たとえば海外の庭園なら噴水が、純和風の庭なら石燈籠がフォーカルポイントです。植栽では、シンボルツリーがフォーカルポイントとして機能します。株立ちの樹木や宿根草と照明の組み合わせ、オシャレな水栓とヘデラなどグランドカバープランツの組み合わせなどもおしゃれで視線を集めるのに有効です。
フォーカルポイントには、あまり見せたくない場所から視線をそらす効果も期待できます。エアコンの室外機や掃除道具など生活色を感じさせるものや、室内が見えてしまう窓の前に植栽を配置します。物理的に目隠しをすると同時に植栽に視線を集め、奥にあるものに視線が向かないように誘導できる点がメリットです。植栽計画の際には、フォーカルポイントを取り入れるとよいでしょう。
寒さや雪に強い植物を選定する
自分の住んでいる地域が雪国なら、寒さや雪に強い植物の選定が重要です。富山県など冬の積雪量が多い地域では、雪の重みに耐えられず樹木の枝が折れてしまう、植物が寒さに耐えられず枯れてしまうことがあるためです。耐寒性が高くシンボルツリーに向いている樹木は、アオダモやイロハモミジ、ヒメシャラ、ジューンベリーなどの落葉樹です。枝ぶりが密にならないヤマボウシなどの雑木類は、雪が積もりにくく雪対策がしやすいでしょう。常緑樹のコニファー、マサキ、イチイ、キンモクセイも寒冷地に向いており、生垣などに取り入れたい樹木です。
宿根草主体の庭も雪国には最適です。積雪量の多い地域では、低木類では雪の重さで潰れてしまう恐れがありますが、宿根草は冬前に地上部が枯れるので積雪の対策をする必要がありません。雪に潰される心配がないのがメリットです。植栽を取り入れる際には、希望する植物が寒冷地や雪国でも育つか確認しておくとよいでしょう。
植栽工事を依頼するエクステリア業者の選び方
植栽のあるエクステリア工事は決して安い買い物ではないので、工事を失敗しないためにはエクステリア業者をしっかりと選ぶ必要があります。複数のエクステリア業者に相談や見積り依頼をするのが一般的ですが、選ぶ際には業者の植栽の施工事例が自分の希望するイメージと合うか、植栽の施工事例が豊富かどうかを確認することが大切です。
植栽の施工事例が、自分が希望する植栽のイメージに合っているエクステリア業者を選ぶとよいでしょう。業者によっては洋風の庭が得意でも和風は不得意、雑木風の庭が得意などの専門分野があるためです。希望するエクステリア業者が、どのようなデザインや施工をしてくれるのかあらかじめ理解していれば、自宅の工事の際にも同じ品質を期待できるため安心できるでしょう。デザインの段階で自分の期待するイメージと違った、施工後の仕上がりが思っていたのと違ったなどのトラブルを回避しやすくなります。施工事例は、エクステリア工事会社のホームページや、InstagramなどのSNSから確認できます。希望する植栽イメージと似た施工事例があれば、プリントアウトして相談の際に持っていくとよいでしょう。工事に携わる全員とイメージを共有でき、話がスムーズに進みやすくなります。
植栽の施工実績が豊富なエクステリア業者は、実績が多いほどさまざまな状況下での工事を経験しており、知識が豊富で技術が高いので高品質な工事が期待できます。高品質な仕上がりは、耐久性や将来のメンテナンスの有無にも関わってくる重要な要素なので、エクステリア工事会社のホームページや資料で実績をよく確認しておいたほうがよいでしょう。エクステリア工事は、土地の状態や予算などの条件によって、予想外のケースが発生する場合があります。経験が豊富なエクステリア業者なら、希望する植栽が環境に適さなかった場合など不測の事態にも、これまでの経験から最適な代替案を出してくれることがあるでしょう。富山県など、雪国での植栽選びは重要です。経験が豊富な業者なら実際に育つか相談ができ、無理な場合は雰囲気の似た別の植栽の提案など、的確なアドバイスが期待できます。エクステリア業者を選ぶ際には、植栽の施工実績が豊富かどうかしっかり確認することが大切です。
まとめ
植栽のあるエクステリア工事では、心身の癒やしや生活する上で便利な機能を提供してくれるメリットが得られます。植栽計画は家づくりと同時に考えるようにし、建物を含めた敷地全体の調和や見せ場づくり、環境に適した植物の選定なども考慮することが必要です。アイストップデザインでは富山市を拠点に、エクステリアのなかでも植栽にとくに力を入れ、建物・インテリア・エクステリアの三点が調和する理想の空間づくりのご提案をしています。植栽を取り入れたエクステリア工事は、ぜひ当社にご相談ください。